2024.02.08
事例で解説!専門員の検査で火災事故を未然に防ぐ
皆さんご承知の通り、
本年1月1日に石川県能登方面にて能登半島地震がありました。
現地のみならず近辺でも甚大な被害が出ており、
今なお断水、停電等で苦しい生活を強いられている状況が続いております。
当たり前の日常の中で突如訪れる天災は、防ぎきれない面があります。
そんな中ニュースでもよく取り上げられていますが、
非常事態に活躍し、人々の生活を助ける設備として非常用発電機があります。
非常用発電機が正常に稼働するには、日々のメンテナンスを行い、
非常用発電機のみならず周辺の設備が適切な状態でなければなりません。
その非常用発電機設備内の一部として産業用蓄電池があります。
非常用発電機の起動に必要であり、使用期限が切れていて状態が悪い蓄電池を使用していると、
いざという時に電気の供給が出来なく、非常用発電機が起動しない場合があります。
福井県内にて電源設備の状態確認で巡回していた所、
某所にて非常用発電機を確認させて頂ける機会がありました。
設備のご担当者様は通常点検しているので、
異常は無いと思いますよと仰って頂いていたのですが、
一応確認してみようとの事で発電機室に向かいました。
以下が確認させて頂いた蓄電池になります。
どうでしょう?
見た感じでは異常は無いと思う方もいらっしゃるかもしれません。
写真では分かりずらいですが、実は本電池は非常に危険な状態であります。
まず蓄電池の内部構成部品として簡単にご説明すると、
正極板と負極板と電解液(希硫酸)があります。劣化パターンとして
正極板は腐食、伸び、やせが見られ、電解液に関しては
適正量(下記写真の黄色線上部まで)ある必要があります。
今回確認させて頂いた蓄電池は電解液がほぼ空になっており、
火災、爆発等の事故になっていた可能性がある事を説明させて頂きました。
なぜ火災の危険性があるかと申し上げますと、
電解液が無いとバッテリー内に溜まった水素ガスに引火し、爆発や火災の原因になるためです。
今回の産業用蓄電池に関しては充電時に電解液中の水が電気分解した酸素ガスと水素ガスを
水に還元する触媒栓があります。
触媒栓が正常に機能していれば電解液の減りは比較的抑える事が出来るのですが、
今回寿命期を超えた触媒栓と蓄電池の御使用により
適切に触媒栓が機能しておらず電解液が不足しているという事象に至りました。
現在の状態と今後の対応方法について説明した所設備のご担当者様には
感謝の御言葉を頂き、今年度の更新工事をご計画頂く結果となりました。
このように大丈夫であろうという思い込みで実は危険な状態にある事は、
今回の事象に限らず多々あります。
日々の業務で忙しいとは思いますが、今一度ご利用されている非常用発電機のご確認をしてみてはいかがでしょうか?
先日の地震のようにいつ何時非常用発電機が必要になるかは、誰にもわかりません。
日頃の保守、メンテナンスを行っていただき、少しでも不安なことがあれば弊社にお問合せ頂ければと思います。
弊社は発電機メーカーである川崎重工業、産業用蓄電池メーカーGSユアサの代理店を行い
地域密着で販売し機器の納入、施工、保守など様々な分野で貢献させて頂いております。
社内には蓄電池設備整備資格者、メーカー認定資格、
第一種、第二種電気工事士等の資格を数多く保有しております。
設計協力~販売~施工~広域処分まで幅広く業務を任されておりますので、お気軽にご相談下さい。
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この記事はTECS事業部が執筆しました。