2023.06.07
産業用蓄電池の容量計算についてご相談ください!
電源装置の更新をご検討されている方や、新たに電源装置を導入することにより無停電化を図りたい方は、新たな蓄電池設備の仕様を検討する際に蓄電池容量の選定が必要不可欠となります。
以前に電源装置の設置検討についての記事で蓄電池容量計算についても少し触れさせていただいております。
上記記事では電源装置を構造的に小さくできるかを検討した事例の一つとして蓄電池設備でバックアップしたい負荷の諸元(リストアップ)を頂き、蓄電池の容量が適正値であるか「蓄電池容量計算書」による選定をご紹介しております。
今回は蓄電池容量計算についてピックアップして実際にあった事例をもとにご紹介させていただきます。
事例~お客様からの依頼編~
■蓄電池容量計算書(顧客作成)
某工場にて使用予定の非常照明用直流電源装置に使用予定の蓄電池の容量計算書をお客様よりいただきました。
お客様からのご要望としては非常照明負荷電流70Aで計算していたが、負荷電流が増える想定で、改めて負荷の諸元を検討し直しするので改めて容量計算を行ってほしいとの事でした。
具体的にお話を伺うと、当初の蓄電池容量計算では150Ahの蓄電池を選定しておりましたが、非常照明電流の詳細を調べていくうちに70Aで見込まれていた非常照明の負荷電流が80.5Aであることが判明し、150Ahで問題ないのかを再度検討を行ってほしいとの事でした。
■負荷電流の条件
非常照明用:70A→80.5A 30分
制御・表示用:3A 30分
VCB操作用:20A 0.2分
事例~弊社の対応編~
■蓄電池容量計算書(当社作成)
お客様からの情報を元に80.5Aで再度蓄電池容量計算を実施したところ、当初の想定通り150Ahで蓄電池容量は問題ないことが分かりました。
しかし、GSユアサでは非常照明用の負荷電流値を検討するにあたっての注意点がございます。
従来の白熱灯ではお客様からご指示頂いた電力(WまたはVA)を100Vで割ることにより電流値を算出していましたが、LED式非常照明のご使用の場合は90Vで割って算出しております。
その理由としてはLED式非常照明の場合は定電力入力となりますので、電圧が低下すると電流が上昇します。
その為、蓄電池のバックアップ中に非常照明負荷が徐々に電圧が低下し、電流値が上昇していくことも視野に入れて容量計算を行う必要がございます。
今回のご相談を受けた電流値については80.5Aと判明いたしましたが、詳細をお打合せするといただいた負荷の諸元は100Vで割った値で、90Vで割ると、計算に使用する電流値としては89.5Aであることが分かりました。
■蓄電池容量計算書(当社作成)※消費電力/90V
非常照明のみならず、制御・表示用とVCB用の負荷電流値とバックアップ時間も確認の上で、改めて弊社にて蓄電池容量計算を実施させていただきました。
すると、150Ahでは容量不足で、200Ahの容量が必要であることが判明しました。
さらに、本装置では将来的に工場を増設する予定で、非常照明負荷がさらに増える未来もあり得るとのことでした。
上記の容量計算結果をお客様へご提出させていただき、蓄電池容量を200Ahへ変更が必要な旨をご説明させていただきました。
まとめ
蓄電池の容量計算をするにあたって、どこまで負荷を想定するかにもよりますが、新設装置の場合は将来増設する予定や、既設装置更新の場合はLED化による負荷電流値低下なども視野に入れて、弊社ではメーカーへ依頼することなく、「何度でも」「即座に」容量計算を行うことが可能です。
蓄電池の容量が決定いたしましたら、その後に整流器の容量選定を行います。
弊社では蓄電池設備の販売・施工・メンテナンスのみならず、GSユアサの製品力と弊社技術力を集結してお客様のニーズに適合した電源システムをご提案させていただきます。
蓄電池設備の仕様検討・容量検討に関しましてもお問合せをお待ちしております。
お問合せは・・・東亜電機工業株式会社へ
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この記事はTECS事業部が執筆しました。