2023.04.20
GSユアサ製品(電源装置・蓄電池)の石綿(アスベスト)使用状況について
2022年4月1日着工の工事から石綿(アスベスト)の有無の事前調査結果の報告が施工業者(元請事業者)の義務となっています。
この記事では蓄電池設備の事例(GSユアサ製品)について、過去に石綿(アスベスト)が使用された製品をご紹介します。
事前調査結果の報告の対象となる工事・規模基準
工事の対象 | 工事の種類 | 報告対象となる範囲 |
全ての建築物 (建築設備含む) | 解体 改修 | 解体部分の床面積の合計が80㎡以上 請負金額が税込100万円以上 |
特定の工作物 | 解体・改修 | 請負金額が税込100万円以上 |
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【電気設備関連】
発電設備(太陽光発電設備・風力発電設備を除く)、変電設備、配電設備、送電設備(ケーブルを含む)
石綿は、そこにある事自体が直ちに問題なのではなく、飛び散ること、吸い込むことが問題となるため、労働安全衛生法等の法律で予防や飛散防止等が図られています。
☆詳細は厚生労働省の「石綿総合情報ポータルサイト」をご覧ください。
現在生産されているGSユアサ製品(電源装置・蓄電池)には石綿(アスベスト)は使用されていません。
過去の製品の石綿(アスベスト)使用について
・1987年以前の製造の蓄電池の触媒栓
内壁に断熱材として使用実績があります。
触媒栓自体の取替時期は5年なので、市場にはほとんど現存していないものと思われます。
現在の触媒栓の組成及び成分情報
化学名又は一般名 | 構成成分 | 含有率(重量比) | 化学記号 |
アル ミナペレット-パラジウム0.5% | 触媒 | 2~5% | Pd Al₂O₃ |
人工コランダム | 触媒容器 | 20~50% | Al₂O₃ |
ポリプロピレン | 外器 | 35~70% | ー |
シリコンゴム | 接着剤 | 1%以下 | ー |
ガラス繊維 | 緩衝材 | 1%以下 | ー |
樹脂、ゴム | その他 | 10%以下 | ー |
・1995年頃以前のCSー2500以上の大容量開放型鉛蓄電池電槽とふたを接合するコンパウンド部の目張り用のひも。
及び開放型鉛蓄電池用液面検出(DLアラーム)のふた貫通部の目張り用ひも。
これらについてはコンパウンドと一緒に一体固化されているので飛散する可能性はありません。
現在のベント式据置鉛蓄電池CS形の組成及び成分情報
化学名又は一般名 | 構成成分 | 含有率(重量比) | 化学記号 |
鉛、鉛化合物 (二酸化鉛、硫酸鉛など) | 端子、極板 | 50~65% | Pb PbO₂ PbSO₄ |
アンチモン | 極板 | 1~2% | Sb |
砒素 | 極板 | 0.1%以下 | As |
バリウム化合物 | 極板 | 0.2%以下 | BaSO₄ |
希硫酸(約30%) | 電解液 | 30~40% | H₂SO₄ |
AS、ABS | 電槽、ふた | 4~8% | ー |
PS | スペーサー | 2~3% | ー |
ガラス繊維 | 隔離板 | 0.2~0.5% | ー |
PE、PP、シリカ、エポキシ樹脂、ゴム | その他樹脂部品 | 1%以下 | ー |
真ちゅう他 | その他金属 | 1%以下 | ー |
・1994年以前の配線用遮断器(MCCB)の一部
一部の製品に微量ですが、成形材料内に封じ込められている
物があります。(部品重量の0.1%未満、コンパウンドで個化)
粉砕しない限り、外部に飛散する事はありません。
・1987年以前の製造の電源装置の端子口(配線口)の穴埋め板
客先要求で使用した機器があるようですが、機器・現存数は把握できておりません。
電源装置本体の他、施工時に使用された耐熱シール材、耐火仕切板等が石綿(アスベスト)含有製品である可能性があります。
(製品名や含有製品の製造期間は公表されています。)
【事前調査を行う者の要件】
建築物等:
建築物石綿含有建材調査者講習の修了者又は、日本アスベスト調査診断協会の登録者が行います。
(一般的には専門業者へ依頼するケースが多いと思います。)
GSユアサ製品(旧GS、旧ユアサ含む)の石綿(アスベスト)使用について、本記事記載の様な標準文書であれば、随時ご提供可能です。
また、個別案件の有害物質含有調査(PCB、水銀、アスベスト)も対応可能ですが、GSユアサ 電源システム生産本部 品質保証部が調査報告書を発行しますので、時間を要します。機器仕様、各種計算書(耐震、発熱量、換気量、高調波流出電流等)、官公庁届出書類(蓄電池設備設置届出書等)、既設蓄電池処分等、
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この記事はTECS事業部が執筆しました。