2023.09.28
バッテリー液が流出!?もしもの時に備えて中和講習!
私たち電源装置の施工・保守チームは、
蓄電池の施工・保守業務を行っており、その中でも液式蓄電池を取り扱っています。
以前の記事でも紹介しましたが、蓄電池の電解液(バッテリー液)は危険なものです。
鉛蓄電池に使用されている電解液は希硫酸(酸性)、
アルカリ蓄電池に使用されている電解液は水酸化カリウム(アルカリ性)です。
この電解液が流出してしまうと周囲が汚染されてしまい、
腐食や薬傷などの危険があるので、流出させない・中和する備えが必要です。
今回は電解液が流出した際に行う中和作業の講習を行いましたので紹介します。
まずは、流出対策・中和作業に必要なものの紹介です。
プラケース、バケツ、保護メガネ、使い捨て手袋、ゴミ袋、ウエス、
テープ、中和剤、pH試験紙、そして写真右上のものは流出した電解液を吸い取り、
流れて広がらないようせき止めるためのキットです。
上記のものを液式蓄電池作業の時は携行しています。
それでは実際に中和作業を行ってみましょう!
今回はプラケース内を床の代わりとして、希硫酸を垂らして、中和作業を行います。
まずは中和前の希硫酸のpHを見てみましょう。
写真のように赤色になりましたので、pH:約1.0ということがわかります。
ちなみに、鉛蓄電池の電解液(希硫酸)はpH:約1.0、
アルカリ蓄電池の電解液(水酸化カリウム)はpH:約14.0であり、共に強い酸性・アルカリ性です。
次に、中和剤を用いての中和作業を行い・・
再びpH試験を行ったところ、黄色~黄緑をさしていますので、中和完了です!
電解液が流出した際はこのような中和作業が必要ですが、
日々蓄電池を扱う私たち施工・保守チームも、実作業で中和を行う機会はほぼありません。
作業ミス等により破損させた場合ももちろんですが、
なかにはメンテナンスされていないものや寿命年数を大幅に超えて使用されているものもあります。
そういった著しい劣化により亀裂が入ったなど、
もしもの場合にも安全・適切に作業できるよう、講習を行っております。
ちなみに、電解液のpHについては、廃棄物として処理する際に関係していますので簡単に紹介します。
水素イオン濃度指数(pH)2.0以下であるか、12.5以上である廃液は「特定管理産業廃棄物」に該当します。
上記pH試験でも記載しておりますが、鉛蓄電池の電解液はpH:約1.0、
アルカリ蓄電池の電解液はpH:約14.0であり、
「特定管理産業廃棄物」に該当するので、廃棄物として処理する際は注意が必要です。
詳しい説明はまた次の機会に行います。
私たちは必要な資格や講習、教育を取得・受講し、作業員の安全、作業品質を守れるよう心掛けております。
電源装置や蓄電池、非常用発電設備等の電気作業は東亜電機工業㈱まで、ご連絡をお待ちしております。
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この記事はTECS事業部が執筆しました。