2023.04.18
販売した製品の稼働時間や消耗部品の状況を知りたい!遠隔管理システムとは・・・
皆さんが製造・販売した商品が、まさに今、どういう状況になっているのか気になったことはありませんか?
お客様の役に立てているのだろうか?もしかして不満に思って捨ててしまったのではないか?故障せず元気に動いているのだろうか?見に行きたいけど遠い場所だから難しいな・・・など皆さん一度くらいは考えたことがあるのではないでしょうか?
今回は、そんな思いを解決するもの・・・遠く離れた場所でも機器の状況を知ることができる、遠隔管理システムについて記事を書きたいと思います。
トラブル・故障を未然に防ぐ遠隔監視
近年IoT(Internet Of Things)の普及によって、様々な機器をインターネットに接続し、稼働状況などのデータを収集していくことで部品の故障を事前に予測し、故障によるトラブルを未然に防ぐことができるようになってきています。
IoTは工場や家庭などインターネットが接続できる環境に設置される機器から始まりましたが、近年では無線LANや5G通信を利用し、移動体の状況を遠隔監視するものも多く登場しています。
私たちのお客様の中で有名な遠隔管理システムは、コマツ様で開発したKomtrax(コムトラックス)というシステムです。Komtraxは世界中で稼働している建設機械の位置情報や車両情報を収集し、インターネットを通じてユーザー様やディーラー様に提供することで、稼働状況や消耗部品の交換時期などのメンテナンス情報を遠隔管理することができるシステムです。
遠隔管理システムは数年前まで技術面・コスト面でも大企業にしかできないような取り組みでしたが、IoTの普及によって通信関係の装置が多数市販されてきたことや、データ通信専用格安SIMなどの登場によって、かなり身近になってきました。
遠隔管理システムの近況
当社でも古くから遠隔管理システムへの取り組みを行っています。
当社では風力・太陽光発電装置を製造・販売しており、その応用製品として20年程前にFOMAという第3世代移動通信システム(3G通信)を使って遠隔監視カメラ装置を作ったことがあります。その後、無線LAN(IEEE802.11G)を使った同様のシステムを数台納入しました。3年程前には4G(LTE)通信を使って発電装置の状態を監視するシステムを検討していたのですが、当時に比べて通信モジュールも増え、通信にかかるランニングコストも非常に安価に運用できるようになりました。
つい最近も、あるメーカー様から市販の通信モジュールやGNSS(Global Navigation Satellite System)受信機を使って遠隔管理システムを作りたいというご要望がありました。たくさんの情報を収集する訳ではないのですが、装置の現在の位置と稼働時間のデータを定期的にメーカー様のサーバーに送信し、稼働状況を把握するというもので、当社では送信機の試作と量産製作にご協力させていただきました。
モノからコトへの変革
昨年聞いたオンライン講話で、これからの時代は『モノを売る』という事業から『コトを売る』という事業に変革していくだろうということを話されていました。
まさにこういった遠隔管理システムは、ものづくりメーカーが考え出したコト=サービスの一環として開発されているシステムで、今後も様々な製品に付加され、アフターサービスが充実していくのではないかと想像しています。
当社は主にお客様の製品に搭載する部品を製作しているため、自社製品に活用することはあまりありませんが、お客様が構築しようとしているシステムのお手伝いをすることはできます。
当社では、プリント基板を使用した制御コントローラの電気回路設計・マイコンソフトウェア開発から収納するケース設計まで全て自社で行うことができます。また電気・電子部品はもちろん、樹脂成型品や板金類も自社で調達し、試作から量産に至るまで自社で製作します。
遠隔監視・遠隔管理システムの構築を考えているようでしたら、是非とも当社にお声かけください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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この記事はP&D事業部が執筆しました。