2023.03.09
耐環境性能を高めたセンサー封止ボックスの開発
今回は、当社が得意とする技術を活かしてお客様の要望に応えた、製品の開発事例をご紹介します。
当社製品の特徴はとにかく頑丈なこと(参考記事)であり、その技術をいろいろな製品に活かせる可能性があります。場合によってはそれがコストダウンにつながることもあります。
まだ世の中にない頑丈でリーズナブルな製品をお求めの方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
ウレタン樹脂でプリント基板実装品を封止する技術
当社が得意とする技術を使った製品のひとつとして、プリント基板実装品をウレタン樹脂で封止した制御コントローラがあります。
自動車をはじめとする車載制御コントローラー(ECU)や産業機械、家電やおもちゃ等に内蔵されているプリント基板実装品は、時として外気に触れないように封止する必要があります。
封止する理由は様々あります。
実装されている電子部品やそのはんだ接合部を水や湿気・ホコリから守るためであったり、振動や衝撃などの外力によって実装部品が外れないため、人が容易に触れることができないようにするためなどです。
当社の製品は『はたらくくるま』に搭載されることが多いため、プリント基板にとってはとても不利な条件が揃っています。なのでこの封止技術は当社にとって必要不可欠なもののひとつです。
技術を活かしてお客様の要望に応える
この技術を活かし、お客様のご要望に応えた事例を紹介します。
先日あるお客様から問合せがありました。
内容は「あるセンサーをケースに収納し、過酷な環境で使用している。しかしそのケースが頑丈すぎで、コストがかかりすぎている。コスト改善のために何か良い方法がないか?」というものでした。
詳しくお話を聞いたところ、そのセンサーの収納ケースは
・高級感が漂っているアルミ製の頑丈なケース
・完全防水されている(水没することもあるため)
・外力に対して壊れないためのガードでもある
とのことでした。
ただし、センサー自体も屋外仕様で防水・防塵の処理がされており、電線接合部のコネクタも防水仕様のものを使用しているため、ケースがここまで頑丈である必要はないとのこと。
つまり「センサー保護のため一定の強度は必要であるが、現状は過剰品質であるため、コストを低減してほしい」との要望です。
この頑丈さとコストを両立する課題を解決したのが、当社の得意とするウレタン樹脂での封止技術でした。
金属製のボックスにセンサーを収納しウレタン樹脂で封止してしまえば、ある程度の外力や水没にも耐えることができ、しかも現状よりも確実に安価でご提供することができると思い、お客様に提案しました。
お客様からは是非前向きに考えたいということで、社内で構造の設計と実験を行うことにしました。実験の結果、ウレタン樹脂が悪影響を及ぼすこともなく、お客様が指定する寸法より小型にすることができたので、試作品を実機に搭載して検証する段階までこぎつけることができました。
開発から量産品製作まで対応
このようにプリント基板実装品以外にも様々な用途でウレタン樹脂の封止が役に立つことがあります。
今回の事例のように当社開発部門では過去の様々な開発実績を基に、新しい発想でお客様のご要望にお応えします。更に開発だけでなく、量産品の製作まで自社で対応します。
当社では2液自動計量混合吐出機(ディスペンサー)を保有し、液状のウレタン樹脂を真空脱泡・計量・混合・吐出まで自動で行うことができます。プリント基板実装品に限らず、防水性や防塵性など過酷な環境対策が必要な製品の開発や製作のご要望がありましたらお気軽に当社にご相談ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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この記事はP&D事業部が執筆しました。