2023.02.22
金属の接合に欠かせない【ハンダ】
こんにちは。私はP&D事業部営業部営業課 入社3年目のMです。
今回の記事では、少し電気分野から離れ、皆さん学生時代に一度は学んだであろう【ハンダ】について私が学んだことを記します。
私は小学生の時、理科の授業でハンダごてを使いハンダ作業を行ったことがあります。その後の人生、ハンダを使用する場面はありませんでしたが、弊社で作っているワイヤーハーネスやプリント基板製品などいたる所でハンダ作業を行っていることを知りました。そこで今回は、ハンダについて学ぶ事にしました。
ハンダとは?
初めにそもそもハンダとは何なのか。
ハンダは主に2種類あり、鉛入りハンダ(共晶ハンダ)と鉛フリーハンダがあります。
それぞれの違いについて簡単に見ていきましょう。
鉛入りハンダ(共晶ハンダ)
その名の通り、鉛が含まれているハンダ。
融点:約183℃
濡れ性がいい(表面に薄くハンダが広がる状態)
低コスト
環境に悪い
鉛フリーハンダ
その名の通り、鉛が含まれていないハンダ。
融点:約217℃
濡れ性が悪い(表面からハンダが弾かれているような状態)
高コスト
環境に優しい
ぱっと2種類を比べてみると鉛入りハンダ(共晶ハンダ)の方がメリットが多そうです。
実際、鉛フリーハンダより、鉛入りハンダの方が作業性がよく扱いやすいです。
しかし、一番の大きな問題は環境問題です。鉛は地下水などを汚染し、人体にも悪影響を及ぼす為です。
弊社では、鉛フリーハンダのみ取り扱っております。
ハンダコテの基礎
<ハンダコテ選び方>
まず、ハンダコテの選び方ですが、母体が大きければ大きいほど熱量が必要な為、大きいハンダコテが必要です。
ただしハンダコテは大は小を兼ねないので、注意が必要です。大きいハンダコテで小さな部品をつけようとすると、作業がしにくく最悪の場合、部品を壊してしまうことがあります。
<フラックス>
ハンダには表面を洗浄したり、ハンダを広がり易くさせる為のフラックスと呼ばれるものが含まれております。
ハンダが溶ける前にフラックスが溶けだし、その後ハンダが溶け始めます。
中途半端な温度でハンダを溶かすと、フラックスが先に溶けハンダが溶ける前にフラックスが蒸発してしまいます。
それを防ぐ為にも、ハンダ、母体それぞれがしっかり温まってからハンダを流し込む事が大切です。
ハンダ作業実践
今回まずは実践してみようという事で、サンプルの練習用として、基板ではなく電線と端子をハンダしてみました。
2本、初めにハンダをしましたが、どちらもいきなり失敗してしまいました。
左側はハンダコテが被覆に当たってしまい、被覆が溶けてしまっています。
右側は、ハンダを流し込みましたが、母体が温まる前に流してしまった為、濡れが悪く写真の通りハンダが広がりませんでした。
もう一度、失敗を活かし挑戦しました。
今回は綺麗にハンダを広げることができました。
ハンダを流し込み終える時、ハンダをハンダコテから離した後、ハンダコテはハンダの濡れを確認出来るまで母体につけたままにすることが大切だと分かりました。
ハンダの学びから得たこと
今回ハンダを学んだことで非常に嬉しい事がありました。
ハンダの学習をしていたタイミングでお客様から『御社が使用しているハンダは鉛入りか鉛フリーかどちらでしょうか?』という問合せを受け、弊社での取り扱いハンダは鉛フリーであることを即答出来ました。小さい事ではありますが、自身の成長を感じられた瞬間でした。
実際にハンダを学び実践まで行いましたが、やはり手馴れていない作業者だと難しい作業だと感じました。
弊社では、品質保証の面から製造部門誰もがハンダ作業が出来るわけではなく、技能認定試験を設けており、合格者のみハンダの資格が与えられています。
今回、手作業のハンダについて説明しましたが、弊社では表面実装機と鉛フリーハンダ槽を各1台所有しています。
当社ではワイヤーハーネスや制御盤類の製造に加え、プリント基板実装製品の設計開発や製造を行っています。委託をお考えの方、少ない生産数量で委託先にお困りの際はお気軽にお問合せください。
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この記事はP&D事業部が執筆しました。